<私の尿管結石記>
尿管結石、膵炎、胆石の痛みが三大痛なのだそうで、確かに痛いもので、腹部の奥深くにツーンというか、ジーンと響く痛みがありました。
朝起きたときから左のわき腹に痛みがあって、下に降りて行きます。「尿管結石」の言葉が頭をよぎったのですが、認めたくない気持ちがあって、単なる腹痛だろうと最初は高をくくっていました。その一方には弱気な自分もいて、家人に鍼だけは刺してもらいました。穴は解谿です。
治療院に出てきて二度目の痛みがあったときには、これは尿管結石だと認めざるを得ませんでした。
ベッドに横になって灸をすえましたが、その温かみのありがたいこと。お腹がグーッと鳴って痛みが消えてゆき、石がスーッと下に落ちてゆくのが分ります。念のためにロキソニン(止痛薬)も呑みました。
これで終われば良かったのですが、三度目の痛み。灸の効きがいささか悪くなっています。
腎臓と膀胱をつなぐ尿管は、途中で細くなっている箇所があって、そこに石がひっかかると痛いわけです。なので体をねじって、石を下に落とすことができると確認しました。
4つ目5つ目はもう灸も効かず、ロキソニンは端から効いてませんでした。ただ痛みに耐えて体をよじるだけ。おまけに、石が骨盤のあたりにくると、猛烈な吐き気です。5つで終わりました。
痛み止めが効かないのでは、病院へ行く意味もなかっただろう、鍼で尿管も広げておいたから、体を据えたくらいで石も落ちたのだろうし、何しろお灸の熱はありがたいものでした。
尿管結石痛、胆石痛の患者さんも診たことはありましたが、次回からはもっと身を入れた治療ができるのではないかと思います。
その後、1,2か月たって病院へ行ったおりに、まだ腎臓に結石がないかCTを撮影してもらおうとお願いしました。
「では病院で診察はしてもらっていないのですね?」と、医師。
「はい、でもあれは確かに尿管結石が下りてくる痛みだったと思います」
「・・・」
「翌日、実際に石もでました」
「・・・」
医師としては、たとえ泌尿器科医でなくとも、オーバーにいえば誤診であっても、医師という名のつく人の判断がなければ「尿管結石」ということにはならないようなのでした。
写真は、痛みの翌日に出た石です。 |